🎯 結論(先に要点)
司法書士の仕事は、司法書士法3条で決まっています。中心は登記・供託の手続の代理と、法務局や裁判所に出す書類の作成です。140万円以下の簡易裁判所の訴訟の代理は、法務大臣の認定を受けた司法書士だけができます。報酬は自由化されていて、日司連の調査では売買による所有権移転登記の平均が56,678円です。
行政書士(社会保険労務士試験合格)が、士業業界の動向と通信講座6社の公開情報を踏まえて本記事を執筆しています。
📋 この記事でわかること
- 司法書士の主要業務6種類
- 1日のスケジュールの一例
- 案件別の業務フロー
- 依頼者との関わり方
- 必要なスキルセット
司法書士の仕事内容は登記が中心と思われがちですが、実は多岐にわたる業務領域があります。本記事では司法書士の業務内容を、公開されている情報をもとに整理します。
\ 合格で受講料が全額返金される制度あり(対象講座・条件あり) /
アガルートの司法書士講座には、合格すると受講料が全額返金される制度があります。「落ちたら費用が無駄になる」が一番の不安なら、制度の中身だけでも確認しておくと判断が早くなります。
【PR:アガルート】 アガルートの司法書士講座・ゼロから始めて1年合格!
※制度の詳細・条件は公式サイトの最新情報をご確認ください。
司法書士法3条で決まっている業務
司法書士の業務は、司法書士法3条1項に8つの号で書かれています。
| 号 | 業務の中身 |
|---|---|
| 1号 | 登記・供託の手続の代理 |
| 2号 | 法務局・地方法務局に出す書類の作成(4号のものを除く) |
| 3号 | 法務局・地方法務局の長に対する登記・供託の審査請求の代理 |
| 4号 | 裁判所・検察庁に出す書類、筆界特定の手続で法務局に出す書類の作成 |
| 5号 | 1〜4号の事務についての相談 |
| 6号 | 簡易裁判所の手続の代理(訴訟の目的の価額が140万円を超えないもの) |
| 7号 | 140万円を超えない民事の紛争の相談、仲裁・裁判外の和解の代理 |
| 8号 | 一定の額を超えない筆界特定の手続の相談・代理 |
出典:司法書士法 第3条(e-Gov法令検索・2026年10月21日確認)・裁判所法 第33条第1項第1号(140万円)。上記の資料をもとに当サイトが編集・加工して作成。

上の図は、本文に記載した出典の資料をもとに当サイトが加工して作成したものです。
6〜8号の業務(簡裁訴訟代理等関係業務)は、法務大臣が指定する研修を修了し、法務大臣の認定を受けた司法書士会の会員だけが行えます(司法書士法3条2項)。
この認定を受けた人が、いわゆる「認定司法書士」です。
成年後見人などの仕事は、3条の業務とは別に家庭裁判所に選ばれて就くものです。司法書士法施行規則31条も、後見人などの地位に就く業務を司法書士法人の業務として定めています。
司法書士の主要業務6種類

💼業務①:不動産登記
住宅購入時の所有権移転登記・抵当権設定登記など、不動産取引に伴う登記業務。
住宅の売買や相続にともなう登記は、司法書士の代表的な業務です。銀行・不動産会社と連携して進めることが多くなります。
💼業務②:商業登記
会社設立・役員変更・本店移転・組織再編などの会社関連登記。
顧問契約による継続収入が見込め、成長企業との関係構築が重要です。
💼業務③:相続登記
2024年4月1日から相続登記が義務化されました(相続で不動産を取得したと知った日から3年以内に申請)。遺産分割協議書作成から相続登記までワンストップで対応。
💼業務④:成年後見
認知症高齢者・知的障害者の財産管理・身上監護。後見人の報酬は家庭裁判所が決めます。
💼業務⑤:債務整理
任意整理・自己破産・個人再生などの手続きです。簡易裁判所の訴訟代理ができるのは、法務大臣の認定を受けた認定司法書士です。
💼業務⑥:簡裁訴訟代理
140万円以下の訴訟代理権で、少額訴訟・支払督促などに対応。
これらの業務に就くには、まず司法書士試験に合格する必要があります。令和8年度は筆記試験の合格発表が10月1日、最終合格発表が11月5日です。確認方法と基準点の読み方は司法書士試験の合格発表2026|筆記10月1日・最終11月5日の確認方法と基準点・合格点の見方にまとめています。
ほかの士業との境界
似た仕事をする士業との違いは、それぞれの法律で決まっています。
| 士業 | この仕事はその士業だけ(主なもの) | 司法書士との関係 |
|---|---|---|
| 弁護士 | 報酬を得て法律事件の代理などを業として行う(弁護士法72条) | 司法書士の訴訟代理は、認定を受けた人の140万円以下の簡易裁判所の手続などに限られる |
| 行政書士 | 官公署に出す書類の作成(行政書士法1条の3) | 他の法律で制限された書類は作れない(同条2項)。登記の申請書は司法書士の業務 |
| 土地家屋調査士 | 不動産の表示に関する登記の調査・測量・申請代理(土地家屋調査士法3条) | 司法書士が扱うのは主に権利に関する登記(所有権・抵当権など) |
| 税理士 | 税務代理・税務書類の作成(税理士法52条) | 相続登記の依頼でも、相続税の申告は税理士の業務 |
出典:弁護士法・行政書士法・土地家屋調査士法・税理士法・司法書士法 第73条(e-Gov法令検索)。上記の資料をもとに当サイトが編集・加工して作成。
司法書士でない人が、報酬を得て3条1項1〜5号の事務を業として行うことは禁じられています(司法書士法73条)。
司法書士の1日のスケジュール(一例)

| 時刻 | 活動 |
|---|---|
| 8:30 | 出勤・メール確認・1日のスケジュール確認 |
| 9:00 | 登記情報提供サービスで案件確認・書類作成開始 |
| 10:00 | 不動産会社との立会い(売買決済) |
| 12:00 | 昼食(事務所or取引先と会食) |
| 13:30 | 法務局で登記申請 |
| 14:30 | 相続案件の依頼者面談 |
| 16:00 | 成年後見の被後見人訪問 |
| 17:30 | 事務所に戻り書類作成・登記オンライン申請 |
| 19:00 | 業務終了・退勤 |
※決済立会い・法務局・面談が重なる日の一例です。勤務時間や業務の組み合わせを示す公的な統計はありません。
不動産登記案件の業務フロー

依頼受付(不動産会社・銀行から)。
必要書類の確認・登記事項要確認事項の依頼者確認。
売買決済への立会い(買主・売主・銀行担当者と)。
登記申請書類の作成。
法務局へオンライン申請。
登記完了の確認・登記識別情報の依頼者交付。
報酬は事務所ごとに決められています(司法書士の報酬は2003年に自由化)。日本司法書士会連合会の調査では、売買による所有権移転登記の報酬の平均は56,678円でした(日本司法書士会連合会「報酬に関するアンケート(2024年3月実施)」)。
相続登記案件の業務フロー

依頼者からの初回相談(被相続人の死亡から)。
戸籍収集(被相続人の出生から死亡までの戸籍)。
相続人の確定・財産調査。
遺産分割協議書の作成支援。
相続登記申請書類の作成。
法務局へ申請・完了確認。
同じ調査で、相続による所有権移転登記の報酬の平均は74,888円でした。戸籍の収集にかかる時間は、相続人の数や本籍地の数で大きく変わります。

上の図は、本文に記載した出典の資料をもとに当サイトが加工して作成したものです。
出典:日本司法書士会連合会「報酬に関するアンケート」(2024年3月実施)https://www.shiho-shoshi.or.jp/about/remuneration/。上記の資料をもとに当サイトが編集・加工して作成。
業務ごとの単価と件数から年収がどう決まるかは、動画でも説明しています。
動画:シカクのミカタ(当サイト運営者のYouTubeチャンネル)「司法書士の年収は「単価×件数」で決まる|日司連の報酬アンケートで見る業務ごとの全国平均」
依頼者との関わり方

司法書士業務の本質は「依頼者の人生における重要な瞬間を支える」ことです。
住宅購入は人生最大の買物、相続は家族の絆を再確認する瞬間、成年後見は高齢者の尊厳を守る業務です。
これらの場面で依頼者に寄り添い、専門知識で問題を解決することが司法書士の価値であり、AIには代替できない人間性が求められる仕事です。
必要なスキルセット

専門スキル
不動産登記・商業登記・民法・会社法・民訴法などの法律知識。実務での書類作成スキル。
ITスキル
登記情報提供サービス・電子申請・クラウド会計などのITスキル。
コミュニケーションスキル
依頼者の不安を解消する傾聴力・専門用語を分かりやすく伝える説明力。
マネジメントスキル
複数案件を並行処理する時間管理力・補助者への業務指示・事務所運営力。
司法書士の1週間サイクル

月:案件確認・1週間の計画。
火〜木:登記立会い・依頼者面談・登記申請。
金:書類作成・電子申請の最終処理。
土:相続案件の依頼者面談(土曜希望者多数)。
日:完全休養または資格取得後の継続学習。
司法書士業務の魅力

依頼者から直接「ありがとう」と言われる仕事。
専門性を活かせる知的好奇心を満たす業務。
自分の判断で完結する独立性の高さ。
年齢を重ねても継続できるキャリアの長さ。
地域社会への貢献実感。
📚 公的機関の参考情報
- 日本司法書士会連合会
- 法務省 司法書士試験
- 法務省 司法書士制度
司法書士の年間業務サイクル

1月:年明けの相続案件・新年度の準備。
3月:年度末の不動産取引集中、最繁忙期。
4月:新年度の人事にともなう役員変更の登記。
5月:GW明けは閑散期、研修・営業に充てる。
6月:株主総会後の役員変更登記集中。
7-8月:相続案件・成年後見の継続業務中心、夏季休暇期。
9月:通常業務(不動産・相続・商業登記)。
10-11月:通常業務継続、年末準備開始。
12月:年内処理希望の案件集中、繁忙期。
司法書士の業務における典型的な1案件の流れ

依頼者からの問合せ受付(電話・メール・WEB)。
初回面談(無料)で案件内容のヒアリング。
見積提示・受任契約締結。
必要書類の収集・依頼者からの情報提供。
書類作成・依頼者への確認。
法務局・関係機関への申請。
完了報告・報酬請求・依頼者への登記識別情報等の交付。
所要期間や報酬は案件の内容で大きく変わります。日司連の調査による報酬の平均は、会社設立の登記107,887円、役員変更の登記33,009円、成年後見の申立100,939円でした(日本司法書士会連合会「報酬に関するアンケート(2024年3月実施)」)。
合わせて読みたい関連記事

🎯 合格者が選ぶ最有力講座
姉妹サイトで他の士業もチェック

🌐 ダブルライセンスで年収UPを目指すなら
よくある質問FAQ

Q. 司法書士の業務時間はどのくらい?
A. 勤務時間を示す公的な統計はありません。決済の立会いや法務局への申請など、外出をともなう業務が入る日は長くなりがちです。
Q. 土日も働きますか?
A. 事務所によります。平日に来られない依頼者の相談を土曜日に受ける事務所もあります。
Q. 出張は多いですか?
A. 売買の決済立会い、法務局、依頼者宅、成年後見の被後見人の訪問など、外出をともなう業務があります。登記はオンラインでも申請できます。
Q. 精神的な負担は大きいですか?
A. 依頼者の人生の重要な瞬間に関わるため責任感は大きいですが、その分やりがいも大きい仕事です。
Q. 認定司法書士とは何ですか?
A. 法務大臣が指定する研修を修了し、法務大臣の認定を受けた司法書士です(司法書士法3条2項)。140万円を超えない簡易裁判所の訴訟の代理などができます。
Q. 司法書士と行政書士の違いは何ですか?
A. 司法書士は登記・供託の代理や法務局・裁判所に出す書類の作成、行政書士は官公署に出す書類の作成が中心です。行政書士は他の法律で制限された書類は作れないため、登記の申請書は司法書士の業務です。
📎 参考リンク(公的機関·業界団体)
- 法務省 司法書士試験
- 日本司法書士会連合会
- e-Gov法令検索(不動産登記法・商業登記法)


