🎯 結論(先に要点)
弁理士試験の過去問は、特許庁の公式サイトで無料ダウンロードできます。
「過去の試験問題」のページに、平成14年度以降の短答式・論文式・口述試験の問題が年度ごとに並んでいます。
短答式は「問題解答」(正解の番号)、論文式は模範解答の代わりに「論点」が出ます。解説はどちらにも付いていません。
現役の行政書士です(弁理士ではありません)。
過去問の入手先と試験の数字は、特許庁の公表資料で確認して書いています。
📋 この記事でわかること
- 短答式・論文式・口述試験の過去問の入手先(年度別リンク)
- 短答式の正解と、論文式の「論点」がある場所
- 短答式60問の科目の内訳と、令和8年度の合格基準
- 古い年度を解くときの注意と、過去問の回し方
弁理士試験は、短答式筆記試験・論文式筆記試験・口述試験の3段階で行われます。
どの段階も、過去の本試験の問題は、試験を実施する特許庁のサイトで無料公開されています。
この記事では、入手の手順と、過去問の使い方を整理します。
過去問は特許庁のサイトで無料ダウンロードできる
弁理士試験の過去問を公開しているのは、試験を実施している特許庁です。
特許庁の「弁理士試験」のページから「過去の試験問題」に進むと、年度ごとのページが並んでいます。
会員登録や料金は必要ありません。

表1 特許庁のサイトで公開されているもの
| 区分 | 公開されるもの | 令和8年度の掲載日 |
|---|---|---|
| 短答式筆記試験 | 問題集のPDFと「問題解答」(正解の番号)のPDF | 5月18日(試験の翌日) |
| 論文式筆記試験(必須科目) | 特許・実用新案/意匠/商標の問題PDFと、それぞれの「論点」のPDF | 6月29日(試験の翌日) |
| 論文式筆記試験(選択科目) | 選択科目の問題と「論点」 | 7月27日(試験の翌日) |
| 口述試験 | 「問題テーマ」(問題文そのものではない) | 令和8年度は10月17日〜19日の試験後 |
掲載日は、令和8年度の各ページの更新日です。
短答式の正解は、試験の翌日に問題と一緒に出ています。合格発表を待たずに自己採点ができます。
一覧のページには、平成14年度から令和7年度までが並び、令和8年度は「令和8年度弁理士試験問題」のページに分かれています。
短答式の過去問|直近5年分のリンク
短答式は年1回、例年5月に行われます。
直近5年分の問題と解答のページを、年度ごとにまとめました。
表2 短答式の試験問題と解答(特許庁のページへのリンク)
| 年度(試験日) | ページ | |
|---|---|---|
| 令和8年度(2026年5月17日) | 問題及び解答 | 問題集PDF/解答PDF |
| 令和7年度 | 問題及び解答 | ページ内のPDF |
| 令和6年度 | 問題及び解答 | ページ内のPDF |
| 令和5年度 | 問題及び解答 | ページ内のPDF |
| 令和4年度 | 問題及び解答 | ページ内のPDF |
令和8年度の問題集は、特許・実用新案20問、意匠10問、商標10問、条約10問、著作権法・不正競争防止法10問の計60問です。
解答のPDFは1枚で、科目ごとに問題番号と正解の番号が並んでいます。
論文式の過去問|必須科目と選択科目
表3 論文式の試験問題と論点(特許庁のページへのリンク)
必須科目は、特許・実用新案、意匠、商標の3つで、それぞれ問題と論点が別のPDFです。
論点は、各問題で「どの事項についての理解を問うか」を短く並べたものです。
たとえば令和8年度の特許・実用新案の論点には、パリ条約の優先権主張の基礎となる出願、前置審査、審決取消訴訟の審理範囲などが挙がっています。
論点は答案例ではありません。
自分の答案に、論点に挙がった事項が漏れなく入っているかを確かめる「チェックリスト」として使います。
口述試験の問題テーマ
口述試験は、問題文ではなく「問題テーマ」が年度ごとに公表されています。
直近は令和7年度の口述試験問題テーマ、その前が令和6年度です。
令和8年度の口述試験は10月17日(土)〜19日(月)のいずれか1日なので、令和8年度のテーマはその後に出る見込みです。
出典:特許庁「過去の試験問題」「令和8年度弁理士試験問題」各ページ(2026年10月8日確認)。掲載日はページの更新日。
短答式は5科目60問|令和8年度の合格基準
過去問を解く前に、短答式の形を押さえておきます。
60問のうち3分の1が特許・実用新案で、残りの4科目が10問ずつです。

表4 令和8年度 短答式の科目と問題数
| 科目 | 問題数 | 令和8年度の問題の例 |
|---|---|---|
| 特許・実用新案 | 20問 | 特許要件、無効審判、職務発明、優先権、侵害訴訟 |
| 意匠 | 10問 | 組物・内装の意匠、関連意匠、ハーグ協定による国際出願 |
| 商標 | 10問 | 標章の使用、登録要件、不登録事由、侵害訴訟、マドリッド協定議定書 |
| 条約 | 10問 | 特許協力条約(PCT)、パリ条約、TRIPS協定 |
| 著作権法・不正競争防止法 | 10問 | 著作物、実演、著作隣接権、商品等表示、営業秘密 |
令和8年度の短答式の合格基準は、総合得点の満点に対して65%以上(60点満点で39点以上)で、かつ科目別合格基準点(各科目の満点の40%)を下回る科目が一つもないことでした。
1問1点なので、特許・実用新案は20問中8問、ほかの4科目は10問中4問が、科目ごとの最低ラインです。
一般受験者2,746人のうち、合格者は436人でした。免除を受けた人を含めた短答式の合格者は459人で、特許庁の統計では合格率16.5%(前年度12.8%)です。
得点分布表では、39点ちょうどの人が82人いて、そのうち4人は合格者に入っていません。総合点が足りていても、1科目でも40%を下回ると不合格になります。
出典:特許庁「令和8年度弁理士試験短答式筆記試験総合得点分布表」「令和8年度弁理士試験短答式筆記試験合格者統計」「令和8年度弁理士試験 短答式筆記試験問題集」(2026年10月8日確認)。
古い年度の過去問を解くときの注意
過去問の正解は、その年度の試験で前提にした法令で決まっています。
その後に法改正があると、当時は正しかった選択肢が、今の条文では誤りになることがあります。
表5 古い年度を解くときに確かめること
| 確かめること | 理由 | 対処 |
|---|---|---|
| 法改正の有無 | 当時の正解が、今の条文と合わないことがある | 選択肢の根拠条文を、今の条文で引き直す |
| 削除された規定 | 商標法4条1項13号のように、今は「削除」になっている号がある | 削除された規定を前提にした選択肢は、解説で今の扱いを確かめる |
| 試験制度の変更 | 特許庁が「令和9年度から弁理士試験制度が変わります」と告知している | 令和9年度に受ける人は、特許庁の案内と受験案内で変更点を確かめる |
古い年度ほど、正解の番号をそのまま覚える使い方は危険です。
直近3〜5年分を中心にして、それより前の年度は、条文の確認とセットで使います。
特許庁の「弁理士試験」のページには、「令和9年度から弁理士試験制度が変わります」というリーフレットが掲載されています。
令和9年度に受験する人は、過去問の使い方を決める前に、このリーフレットと令和9年度の受験案内で変更点を確かめてください。
過去問だけで合格できる?
特許庁の過去問は、短答式だけでも平成14年度から20年分以上あり、量は十分です。
ただし、解説がないことと、古い年度は法改正で正解が変わりうることが弱点です。
選択肢ごとに「どの条文のどこが違うか」を説明できない問題が多いなら、解説つきの教材を併用したほうが早く伸びます。
表10 過去問に使う教材の比べ方
| 教材 | 強み | 弱み |
|---|---|---|
| 公式PDF(特許庁) | 無料・本物の問題・短答の正解と論文の論点つき | 解説なし・論文は答案例なし・古い年度は改正に未対応 |
| 市販の過去問題集 | 解説つき・法改正に合わせて改訂される | 収録する年数に限りがある・有料 |
| 条文集(法文) | 選択肢の根拠をその場で確かめられる | どこを引けばよいかは自分で探す必要がある |
| 通信講座 | 解説講義・論文の答案添削・口述の練習まで一続きで進められる | 費用がかかる・続けられる計画が必要 |
弁理士試験は、短答式で条文の知識、論文式で答案を書く力、口述試験で口頭で答える力が問われます。
独学では、論文式の答案を誰にも見てもらえないことが大きな壁になります。
合格率や合格者の年齢・職業は弁理士の年収・難易度の記事でまとめています。
過去問の回し方|3周で「理由を言える」状態にする
短答式は、知識があいまいなままでも消去法で正解できてしまうことがあります。
過去問は、正解できたかではなく、全ての選択肢の正誤の理由を言えるかで仕上がりを測ります。
表11 過去問を3周する進め方の例
| 周 | やること | ねらい |
|---|---|---|
| 1周目 | 科目ごとに解き、選択肢の一つずつに〇×と根拠の条文番号を書く | どの条文・論点が分かっていないかを洗い出す |
| 2周目 | まちがえた問題と、根拠を書けなかった選択肢だけを解き直す | 弱い条文を、条文集とテキストで埋める |
| 3周目 | 1年度分の60問を、本番と同じ時間で通しで解く | 時間配分と、科目ごとの得点を確かめる |
論文式の過去問は、まず論点のPDFを見ずに答案の骨組みを書き、そのあと論点と照らして漏れを探します。
口述試験の問題テーマは、テーマごとに条文の趣旨と要件を声に出して説明する練習に使います。
弁理士試験の合格率の推移
弁理士試験の最終合格率は、直近4年度で6.0%〜6.4%でした。
受験者はおよそ3,100人前後で、最終合格者は200人前後です。

表12 弁理士試験の最終結果(合格率は最終合格者÷受験者)
| 年度 | 志願者 | 受験者 | 最終合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 令和4年度 | 3,558人 | 3,177人 | 193人 | 6.1% |
| 令和5年度 | 3,417人 | 3,065人 | 188人 | 6.1% |
| 令和6年度 | 3,502人 | 3,160人 | 191人 | 6.0% |
| 令和7年度 | 3,501人 | 3,183人 | 205人 | 6.4% |
令和8年度は、短答式(5月17日)と論文式(必須科目6月28日・選択科目7月26日)が終わり、9月18日に論文式の合格発表がありました。
口述試験は10月17日(土)〜19日(月)のいずれか1日、最終合格発表は11月9日(月)の予定です(令和8年度弁理士試験公告)。令和8年度の最終合格率は、この発表で公表されます。
令和8年度の短答式の合格者は459人で、前年度の355人より100人以上増えました。
出典:特許庁「弁理士試験の結果について」(令和5〜7年度。令和4年度は令和5年度資料の前年度欄)、「令和8年度弁理士試験公告」。
弁理士試験の過去問に関するよくある質問
Q. 弁理士試験の過去問は、無料で手に入りますか?
A. 手に入ります。特許庁のサイトの「過去の試験問題」のページで、平成14年度以降の短答式・論文式・口述試験の問題がPDFなどで公開されています。登録や料金は必要ありません。
Q. 短答式の正解は、どこで確認できますか?
A. 年度ごとの「短答式筆記試験問題及び解答」のページにある「問題解答」のPDFで確認できます。令和8年度は、試験の翌日(5月18日)に問題と解答が掲載されました。
Q. 論文式の模範解答は、公式サイトにありますか?
A. ありません。論文式は、問題と一緒に「論点」が公表されます。論点は、各問題でどんな理解を問うかを箇条書きにしたもので、答案例ではありません。
Q. 口述試験の過去問はありますか?
A. 口述試験は、問題文ではなく「問題テーマ」が年度ごとに公表されています。令和8年度の口述試験は10月17日〜19日なので、令和7年度までのテーマで準備します。
Q. 公式の過去問に解説は付いていますか?
A. 付いていません。短答式は正解の番号だけです。なぜその答えになるかは、条文やテキスト、解説つきの問題集や講座の教材で確かめる必要があります。
Q. 古い年度の過去問は、今の勉強に使えますか?
A. 使えますが、注意が必要です。正解は出題当時の法令で決まっているので、その後の法改正で答えが変わる選択肢があります。古い年度を解くときは、条文を今の内容で引き直して確かめます。
まとめ|公式の過去問を、条文と一緒に解く
- 過去問は、特許庁のサイトで平成14年度以降を無料公開
- 短答式は試験の翌日に問題と「問題解答」(正解の番号)が出る
- 論文式は答案例がなく、「論点」だけが出る。口述は「問題テーマ」
- 古い年度は、法改正で正解が変わっていないか条文で確かめる
- 選択肢ごとに根拠の条文を書けるまで、3周回す
過去問は、手に入れることより、使い方で差がつきます。
まずは令和8年度の短答式から1科目を印刷して、選択肢ごとに根拠の条文を書き込んでみてください。
参考資料(公式)
- 特許庁「弁理士試験」
- 同「過去の試験問題」
- 同「令和8年度弁理士試験問題」
- 同「令和8年度弁理士試験短答式筆記試験問題及び解答」
- 同「令和8年度弁理士試験論文式筆記試験(必須科目)問題及び論点」
- 同「令和8年度弁理士試験合格者発表」
- 同「令和8年度弁理士試験統計」
- 同「令和8年度弁理士試験短答式筆記試験総合得点分布表」
- 同「令和8年度弁理士試験公告」
- 同「(お知らせ)令和9年度から弁理士試験制度が変わります」
- e-Gov法令検索(特許法・商標法・著作権法)
※リンクと数字は、2026年10月8日に上記の公式資料で確認した内容です。

