🎯 結論(先に要点)
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査では、職種「公認会計士,税理士」の平均から計算した年収は約811万円(男性約851万円・女性約691万円、平均42.2歳)です。ただしこの統計は公認会計士と税理士をまとめた区分で、雇われている人だけが対象です。開業税理士の所得は入っていません。税理士の登録者は82,682人(2026年9月末)で、女性は15.8%です。
📋 この記事でわかること
- 税理士の年収について、国の統計でわかること・わからないこと
- 男女別・企業規模別の年収(令和7年の最新値)
- 税理士の登録者数と、試験の科目別合格率
- 年収の数字を見るときに確かめたいこと
税理士は、税務代理・税務書類の作成・税務相談を行う税の専門家です。
「税理士の平均年収は○○万円」という数字はよく見かけますが、出どころはさまざまです。
この記事では、厚生労働省・国税庁・日本税理士会連合会の公表資料だけで、税理士の年収と働き方を整理します。
転職サイトや予備校が出している年収の数字は使っていません。
税理士の年収|国の統計でわかること
国の代表的な賃金統計は、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」です。
この統計で税理士に当たるのは、「公認会計士,税理士」という職種です。
令和7年調査の数値は次のとおりです。

| 項目 | 男女計 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 平均年齢 | 42.2歳 | 41.5歳 | 44.0歳 |
| 平均勤続年数 | 8.5年 | 9.0年 | 6.9年 |
| きまって支給する現金給与額(月) | 57万1,300円 | 59万7,700円 | 49万2,800円 |
| 年間賞与その他特別給与額 | 125万2,500円 | 133万8,700円 | 99万6,200円 |
| 年収の目安 | 約811万円 | 約851万円 | 約691万円 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)別(企業規模10人以上・2026年3月公表)。年収の目安は当サイトが「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与」で計算した値です。
企業規模別の年収
| 企業規模(男女計) | 月の現金給与額 | 年間賞与 | 年収の目安 |
|---|---|---|---|
| 1,000人以上 | 51万9,900円 | 176万2,200円 | 約800万円 |
| 100〜999人 | 56万9,200円 | 145万2,900円 | 約828万円 |
| 10〜99人 | 59万5,600円 | 94万100円 | 約809万円 |
企業規模による年収の差は、思ったより小さいことがわかります。
大きな企業ほど賞与が多く、小さな企業ほど毎月の給与が多い傾向です。
1,000人以上の企業では平均年齢が35.5歳と若く、その分、年収も平均に近くなっています。
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この数字を見るときの3つの注意点
上の年収は、そのまま「税理士の平均年収」とは言えません。
次の3点に注意してください。
- 公認会計士と税理士の合算:国の統計には、税理士だけの区分がありません。
- 雇われている人だけ:税理士事務所を開業している税理士の所得は入っていません。
- 企業規模10人以上の集計:この表は企業規模10人以上の数字で、職員が9人以下の小さな事務所で働く人は含まれていません。
税理士は、開業している人が多い資格です。
開業税理士の収入は、顧問先の数や事務所の規模によって大きく変わります。
日本税理士会連合会は会員を対象に「税理士実態調査」を行っていますが、結果は会員向けに公表されていて、一般には公開されていません。
年収の数字を見るときのチェックリスト
- どの統計・調査の数字か(国の統計か、企業の独自調査か)
- 税理士だけの数字か、公認会計士などを含む数字か
- 雇われている人だけか、開業している人を含むか
- 平均値か中央値か
- いつの時点の数字か
なお、同じ区分の令和6年調査では、年収の目安は約856万円でした。
公認会計士の年収については、公認会計士の年収の記事でも解説しています。
税理士の登録者数と働き方
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 税理士の登録者数 | 82,682人(2026年9月末) |
| 税理士法人 | 主たる事務所5,346・従たる事務所3,177 |
| 最も多い地域 | 東京税理士会 24,841人 |
| 男女 | 女性12,826人(15.8%)・男性68,454人(84.2%)(2024年3月31日時点) |
出典:日本税理士会連合会「税理士登録者数」、男女は内閣府男女共同参画局の資料(日税連調べ)
税理士の働き方は、大きく分けて次の3つです。
| 働き方 | 年収が決まる主な要素 |
|---|---|
| 税理士事務所・税理士法人に勤務 | 事務所の給与体系、担当する顧問先の数や業務の難しさ |
| 企業の経理・財務部門など | 勤め先の給与体系・役職 |
| 開業(独立) | 顧問先の数と報酬、事務所の経費。国の統計の対象外 |
同じ税理士でも、どの働き方を選ぶかで年収の決まり方がまったく違います。
国の統計に出てくる約811万円は、このうち「雇われている人」の平均だと考えましょう。
税理士試験の難易度|科目別の合格率
税理士試験は、11科目のうち5科目に合格する「科目合格制」の試験です。
1科目ずつ合格を積み重ねられるため、働きながら数年かけて目指す人が多い試験です。

| 項目 | 令和7年度(第75回) |
|---|---|
| 申込者 | 45,517人 |
| 受験者 | 36,320人(受験率79.8%) |
| 5科目に到達した人(いわゆる官報合格) | 527人 |
| 一部科目の合格者 | 7,320人 |
| 合格者の合計(合格率) | 7,847人(21.6%) |
科目別に見ると、多くの科目の合格率は10〜15%前後です。
令和7年度は財務諸表論が31.9%と高めでしたが、前年の令和6年度は8.0%でした。
科目の合格率は年によって大きく変わるため、1年の数字だけで「簡単な科目」と決めつけないことが大切です。
| 科目 | 令和7年度 | 令和6年度 |
|---|---|---|
| 簿記論 | 11.1% | 17.4% |
| 財務諸表論 | 31.9% | 8.0% |
| 所得税法 | 13.0% | 12.6% |
| 法人税法 | 13.5% | 16.4% |
| 相続税法 | 13.8% | 18.7% |
| 消費税法 | 10.1% | 10.3% |
| 酒税法 | 12.2% | 12.1% |
| 国税徴収法 | 13.8% | 13.0% |
| 住民税 | 17.8% | 18.2% |
| 事業税 | 12.3% | 13.7% |
| 固定資産税 | 15.5% | 18.0% |
年齢別・女性の合格状況
国税庁の結果資料では、年齢別・男女別の数字も公表されています。
| 区分(令和7年度) | 内容 |
|---|---|
| 合格率が最も高い年齢層 | 20歳以下 35.4% |
| 41歳以上の合格率 | 11.5% |
| 女性の受験者 | 10,439人 |
| 女性の5科目到達者 | 141人 |
| 女性の合格者の合計 | 2,254人 |
若い受験者ほど合格率が高い傾向ですが、41歳以上でも1割以上が合格しています。
受験者の約3割を女性が占めています。
税理士の登録者の女性割合(15.8%)と比べると、これから女性の税理士が増えていくことが見込まれます。
令和8年度(第76回)の状況
令和8年度の申込者は45,954人で、前年の101.0%でした。
合格発表は2026年11月27日(金)の予定です。
第76回からは、5科目に到達した人と一部科目の合格者にも、得点が通知されることになりました。
出典:国税庁「第76回税理士試験の合格発表について」、第76回の受験申込者数
税理士になるルート
税理士になるには、主に次の方法があります。
| ルート | 内容 |
|---|---|
| 税理士試験に合格 | 11科目のうち、会計の2科目と税法の3科目の計5科目に合格する |
| 試験科目の免除 | 大学院で一定の研究をした人や、税務署などで一定年数の勤務経験がある人は、科目の一部が免除される場合がある |
| 公認会計士・弁護士の資格 | 公認会計士や弁護士の資格を持つ人は、税理士として登録できる |
試験に合格した人が税理士として登録するには、租税や会計に関する事務の実務経験が2年以上必要です。
そのため、税理士事務所や企業の経理部門で働きながら科目合格を積み重ねる人が少なくありません。
参考:国税庁「税理士試験」。免除の条件は国税庁の案内で確認してください。
働きながら税理士を目指すなら
科目合格制の税理士試験は、合格した科目が生涯有効で、1科目ずつ合格を積み重ねられる試験です。
働きながら目指す場合は、どの順番で科目を受けるかの計画が大切です。
通勤時間などのすき間時間を使える通信講座は、社会人の受験生にとって選択肢の1つです。
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税理士の年収についてよくある質問
Q. 税理士の平均年収はいくらですか?
税理士だけの年収を示す国の統計はありません。
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査では、「公認会計士,税理士」の平均から計算した年収の目安は約811万円です。
Q. 開業税理士の年収はわかりますか?
国の賃金統計は雇われている人が対象で、開業税理士の所得は含まれていません。
日本税理士会連合会の税理士実態調査は、結果が会員向けに公表されていて、一般には公開されていません。
Q. 男性と女性で年収に差はありますか?
令和7年調査の「公認会計士,税理士」では、男性が約851万円、女性が約691万円でした。
ただし平均勤続年数は男性9.0年、女性6.9年で、勤続年数の差も影響していると考えられます。
Q. 税理士は何人いますか?
日本税理士会連合会によると、2026年9月末の税理士登録者は82,682人です。
Q. 令和8年度の税理士試験の合格発表はいつですか?
国税庁の公表では、2026年11月27日(金)の予定です。
まとめ|年収は「どの統計の、誰の数字か」を確かめる
国の統計で見ると、「公認会計士,税理士」の年収の目安は約811万円です(令和7年)。
ただし、公認会計士との合算で、雇われている人だけの数字です。
開業税理士の収入は、顧問先の数や事務所の規模で大きく変わります。
税理士試験は科目合格制なので、働きながら数年かけて計画的に目指しましょう。


